使用済みストレッチフィルムは何に生まれ変わる?
再生原料の主な用途を紹介物流倉庫や工場などで大量に使用されるストレッチフィルム。
使用後は廃棄物として処理されるケースもありますが、適切に分別・回収することで、再生プラスチック原料を製造するための原材料として再利用することができます。
当社では、回収した使用済みストレッチフィルムを自社工場で再生処理し、再生プラスチック原料(以下、再生原料)を製造しています。
今回は、その再生原料が実際にどのような製品に使用されているのかをご紹介します。
使用済みストレッチフィルムから再生原料へ

回収した使用済みストレッチフィルムは、異物を取り除いた後、粉砕・溶融・ろ過などの工程を経て、再生原料(再生ペレット)に加工します。
このように、使用済みプラスチックを再びプラスチック原料として利用できる状態に戻すことを「マテリアルリサイクル」といいます。
こうして製造した再生原料は、さまざまなプラスチック製品の原料として使用されています。
自治体向けのごみ袋

再生原料の用途の一つに、自治体向けのごみ袋があります。
自治体向けのごみ袋すべてに再生原料が使用されているわけではなく、価格を抑えた海外製品も多く流通しています。
その一方で、資源循環や環境負荷の低減を重視する自治体では、国内で回収した使用済みプラスチックを再生原料として利用したごみ袋が採用されています。
使用済みストレッチフィルムを国内で再生原料化し、再びごみ袋などの製品に利用することで、石油由来のバージン原料の使用量を抑えるだけでなく、国内でプラスチック資源を循環させることにもつながります。
また、海外からの輸入品は国際情勢や海上輸送の影響を受ける場合がありますが、国内で資源を回収・再生し、国内で製品化する仕組みは、供給の安定性という面でもメリットがあります。
実際に2026年の中東情勢悪化に伴い、自治体指定ごみ袋の品薄や供給への不安が各地で生じる一方、国産の再生原料を活用した国内製造が、安定供給の選択肢として改めて注目されました。
企業向けのごみ袋

工場、物流センター、事業所などで使用される無地・透明タイプのごみ袋にも、再生原料が使用されています。
企業では、日々の清掃や廃棄物の回収などに多くのポリ袋が使用されています。こうした日常的に消費される製品の原料の一部を再生原料に置き換えることで、石油由来のバージン原料の使用量を抑えることができます。
また、物流センターや工場などで発生した使用済みストレッチフィルムを回収し、再生原料化したうえで、再び企業で使用するごみ袋などの製品に利用することも可能です。
使用済みプラスチックを廃棄するだけでなく、身近な消耗品の原料として再利用することで、企業活動の中に資源循環を取り入れることができます。
パレットカバー

物流現場で、パレットに積載した荷物をほこりや汚れなどから保護するために使用されるパレットカバーにも、再生原料が使用されています。
パレットカバーは、倉庫での保管や製品・部品の輸送など、さまざまな物流現場で使用される大型のポリエチレン製カバーです。
使用済みストレッチフィルムも、物流センターや倉庫などから多く発生する資材です。これを回収して再生原料化し、パレットカバーの原料として利用することで、物流現場から発生したプラスチックを、再び物流現場で使用する資材へと循環させることができます。
新品の石油由来原料だけで製造するのではなく、用途や必要とされる品質に応じて再生原料を活用することで、バージン原料の使用量を抑えることにもつながります。
ストレッチフィルムからパレットカバーへと形は変わりますが、物流分野の中でプラスチック資源を有効活用できる代表的な用途の一つです。
気泡緩衝材

商品や部品を衝撃から守る気泡緩衝材、いわゆる「プチプチ」などにも再生原料が使用されています。
例えば、気泡緩衝材の大手メーカーである川上産業株式会社では、主力製品の「プチプチ®」に再生原料を高い割合で使用しており、同社の公表では再生原料使用比率は2025年度に98%まで高まっています。
気泡緩衝材は、再生原料を高い割合で使用しながら製品化できる用途の一つであり、使用済みストレッチフィルムから製造した再生原料の活用先にもなっています。
自動車部品の梱包材

自動車部品を輸送・保管する際に使用されるポリエチレン製の梱包材にも、再生原料が利用されています。
実際に当社で製造した再生原料も、自動車部品の梱包材向けに出荷しており、数年前から継続して採用されています。自動車部品の梱包材は、当社の再生原料が活用されている代表的な用途の一つです。
背景には、EUにおけるプラスチック包装に対する環境規制や課税の強化があります。2020年代前半から、欧州では包装材への再生プラスチックの利用を促す制度が導入され、輸入される製品の包装材についても再生原料の使用が重視されるようになっています。例えば英国では2022年から、再生プラスチックの使用割合が30%未満のプラスチック包装を対象とした課税制度が導入されています。
こうした動きから、EU向けの自動車部品に使用される梱包材でも、PCR(使用済み製品を回収・再生したもの)由来の再生原料の利用が進んでいます。
ストレッチフィルムから、再びストレッチフィルムへ

※画像は当社の再生原料を30%配合し、実際に試作された手巻き用ストレッチフィルム
使用済みストレッチフィルムから製造した再生原料を、再びストレッチフィルムの原料として使用する「水平リサイクル」も可能です。
水平リサイクルとは、使用済み製品を原料として、再び同じ用途の製品へ戻すリサイクル方法です。
当社では過去に、ストレッチフィルムメーカーからの依頼を受け、試作用として当社の再生原料を提供したことがあります。
その再生原料を30%配合して手巻き用ストレッチフィルムの試作が行われ、実際に製品として成形することができました。最終的に商品化には至りませんでしたが、使用済みストレッチフィルムから製造した再生原料を、再びストレッチフィルムへ利用できる可能性を確認できた事例です。
今後、再生原料の品質向上や製造技術の進歩によって、こうした水平リサイクルの用途がさらに広がっていくことが期待されます。
使用済みストレッチフィルムの回収・リサイクルについて
株式会社ファーイーストマテリアルでは、物流センター・倉庫・工場などから発生する使用済みストレッチフィルムを回収し、自社工場で再生原料へ加工しています。
回収したストレッチフィルムは、ごみ袋やパレットカバー、気泡緩衝材、自動車部品の梱包材など、さまざまな製品の原料として再利用されています。
使用済みストレッチフィルムの回収・買取について詳しくはこちら
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